パー8
そいつは俊也の肩をポンと軽く叩くが、
「冗談言わないで下さい! 僕も同席するって言うのが条件だったはずですよ!」
珍しい……無愛想な幸一と付き合えるほど温厚な俊也が叫ぶとは。
「三桜弥生の件で話がある。重要な話だ」
だがそいつは俊也の叫びは完全に黙殺し、幸一に目配せし、軽く頷いた。その態度だけで、こいつが今、この場で幸一に何を望んでいるか、心の色を見ずともわかる。
「俊也、お前は帰れ」
「嫌だ! なんなのかはわからないけど、危険なことだってのは僕だってわかるぞ!」
……ほう。俊也に連れ添ってきたこの添加物、何をつかんでいる?
「周りをうろつかれると、邪魔だ」
クックック……お前の身を案じてくる友人に対する返答が、その言葉か。俊也は悔しそうに拳を握っている。
「クソッ…………!」
背を向けると『頼んだぞ』とだけ俊也は呟いた。
俊也が去ると、その男は『あがるぞ』とだけ言った。幸一は頷く事で肯定の意思を示し、居間へと男を案内した。