キョウ
「…………」
「ボクと唯一互角に戦えル、天使デモ、悪魔でもナイ、異端種でもない人間のキミ」
キョウは何も喋らない。その態度を崩そうと言うのか、ルナは身振り手振りを交え、いつにも増して饒舌に語り出す。
「そんなキミとした約束ダ。破ったら何されるかわからないじゃナイ?」
「…………」
「少しは口をキイタラ? 渋くていいカンジなんだカラ、愛想良くしたらもてるノニ」
「…………」
キョウは、一言も発さずに発光する自身の手を下げ、背を向ける。そして、下に通じる開いていない鋼鉄製の扉には目もくれず、そのまま足から垂直に落下。しかし悲鳴も聞こえなければ微かな着地音も聞こえてこない。それでもルナは慌てる事も無く続ける。
「キミがボクを守るという約束を破らない限リ、ボクも約束は守るヨ」
月を見上げ、薄い微笑みを象る。
「もっとも……キミと全力で殺しあってもみたいカラ、破りたくもなるんだケド。白黒はっきりつけたいシ」